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2020/5/11 犯罪者 [読む]

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今日のAmazonでは、Kindle版 ¥1,426と倍近い価格に変わっていた。どういうこと?

駅前広場でたまたま居合わせた5人の老若男女のうち4人が惨殺され、1人が大怪我を負う。
逃走した犯人は死体で発見される。
事件は通り魔殺人として片づけられる。

こんな書き出しで始まるのだが、その先に大きなジグソーパズルのピースを埋めていくような長いストーリーが展開される。

大企業の不祥事隠蔽。大企業と大物政治家との癒着。
警察やマスコミまでもが大きな力によって押さえ込まれる。
この物語は完全なフィクションだと思うが、亡くなった山崎豊子の小説を思い出す。
山崎豊子の小説では裏金が飛び交うが、この小説は、かなり血生臭い。

この手のドラマや映画では「殺し屋」という稼業が登場するが、現実社会に政治家や大企業に金で雇われ、指示された人物を闇に葬るという商売は存在するのだろうか?
なんだか小説の中だけの世界とは思えなくなるほどリアルだった。
殺される理由も、なんの落ち度もなく、ただ企業の都合で消されていく。
良心のある社員と刑事もまた、殺し屋に狙われる。

森友問題に絡んで自殺した近畿財務局の職員を思い出してしまう。

最後に殺された人の遺族の話が綴られている。
大切な家族を失った人たちの悲しみを、大企業の経営者たちは想像すらしない。

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