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2023/7/20 生物はなぜ死ぬのか [読む]

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人生も残り少なくなってくるとこれまで築いてきたものと決別するのが悲しくなります。

「死」について、哲学や宗教ではなく、科学的に考察した本を読みたいと思い本書を手にしました。

著者は生物学者です。

結論は、「死は生物が進化するために必要である」ということでした。

生物の設計図である遺伝子はDNAでできています。
DNAを複製することで生物も複製されます。
生物が複製されるときに、DNAの配列の一部に変異がおこります。
その結果、親とは少し違ったDNAをもつ子ができます。
有性生殖では、オスとメスのDNAを半分ずつもらいます。
そうやって、世代が交代するたびに少しずつ変化が起こります。

これを「多様性」と表現しています。

そのなかには偶然、親より優れた能力を獲得した子や、劣った子がランダムに生まれてきます。
そのなかで環境に適応した子が生き残ります。
地球環境や外敵に負けない形質を持った個体が生き残っていくのが進化です。

一方、生物の死に方には2通りあって、ほかの生物に食べられるか、自身が食べ物を食べられなくなったときに死が訪れます。多くの生物の遺伝子には老化の設計図が組み込まれていて、生殖を終えると死んでいきます。

生命の本質はDNAであり、DNAが進化するために、生物は誕生、生殖、死を繰り返していると考えられます。
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