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2023/2/13 映像の世紀バタフライエフェクト「朝鮮戦争 そして核がばらまかれた」 [観る]

NHK総合で放送された番組
朝鮮戦争についてなんとなく知っていたのですが、この番組をみてよく理解できました。


太平洋戦争が終わり、日本は戦力を放棄し、アメリカの統治下にはいった。
戦力をもたないことこそが平和への唯一の道だとマッカーサー総帥は胸を張った。

それまで日本の統治下にあった朝鮮半島は、日本の敗戦により北側をソ連が、南側をアメリカが統治することになった。

アメリカは共産主義を強く憎み、ソ連のスターリンと中国の毛沢東はアメリカの思想を脅威と感じた。

1950年、北朝鮮は突然、38度線を越えて南に侵攻し、わずか3日で韓国の首都ソウルを制圧した。

国連の安全保障理事会が緊急招集され、国連軍を派遣することが決議された(ソ連は会議をボイコットして欠席)。
国連軍の司令官はマッカーサー。

国連軍は思いのほか苦戦を強いられ、開戦後1か月で南端の釜山まで後退を余儀なくされた。

マッカーサーは船で仁川(インチョン)に上陸する奇襲作戦を実行。
国連軍は反撃に転じ、ソウルを奪還、さらに38度線を越えて北上、中国国境の鴨緑江に迫った。
北朝鮮の金日成はソ連のスターリンに助けを求めたが、スターリンは核兵器を持つアメリカとの直接対決は得策ではないと考え、拒否。
一方、中国は国境に義勇兵の大軍を配備して待ち構えていた。

義勇軍の激しい攻撃にさらされ、国連軍は南への退却を余儀なくされた。

プライドを傷つけられた国連軍司令官、マッカーサーは、ワシントンに無線を送り、中国とソ連の都市に26発の原子爆弾を投下することを要求した。

しかし、、、
アメリカ大統領トルーマンは、この要求に応じず、マッカーサーを解任した。
トルーマンはこの戦争を朝鮮半島の外へ拡大したくなかった。アメリカが中国やソ連を直接攻撃すれば第三次世界大戦になるからだ。

マッカーサーのアメリカ議会での退任演説の締めくくりは、
「老兵は死なず、ただ消え去るのみ。」
(Old soldiers never die, they just fade away.)

スターリンが脳出血で世を去るとソ連国内で休戦の機運が高まり、1953年、天安門広場で休戦協定の調印に至った。

余談
国連軍が北朝鮮の強制収容所を開放した際、解放された収容者のなかに新興宗教を布教した罪で捕らえられていた文鮮明がいた。文鮮明は共産主義を一掃することを目指した国際勝共連合を設立した。日本でも勝共連合を設立し、その発起人のひとりに岸信介がいた。
後の統一教会。岸信介の孫、安倍晋三が、統一教会信者の息子の凶弾に倒れたのは記憶に新しい。


この歴史を振り返って思うのは、

朝鮮は戦前、日韓併合で日本に統治されていたがゆえに、日本の敗戦後、南北に分断された。
戦争を仕掛けた日本本土は、北方4島を除いてソ連に占領されることはなかった(吉田茂の外交努力によると別の番組で言っていたような気がする)。
東西ドイツが統一されたとき、朝鮮も統一されるものだと思ったがそうはならなかった。
同じ民族がなぜ対立するのか。
中国とロシアを後ろ盾とする金一族による専制主義国家が、アメリカ帝国主義との対決姿勢を鮮明にし続ける限り、朝鮮半島の統一は難しい。
朝鮮戦争はいまだ休戦状態で、終結していない。
その根っこが日本による朝鮮の植民地化であり、朝鮮人が日本を憎むのは当然だと思う。

番組タイトルのバタフライエフェクトという言葉は、本編では一度も語られない。
「蝶の羽ばたきのようなささいな出来事が、遠方で大きな変化をもたらす」
という意味らしい。
アジアの一地域で起こった小さな戦争によって、世界の国々が戦争抑止力のために核武装するに至った、 と私は理解しました。
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