2022/8/14 日本のいちばん長い日

明日の終戦の日までに読み終わりたかったのですが、間に合いました。

日本が初めて敗北した最後の戦争。

1937年（昭和12年）　盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が勃発。
1941年（昭和16年）　アメリカが日本に対し、満州からの撤兵を要求（ハル・ノート）、これに反発して太平洋戦争が勃発。

‥

1945年（昭和20年）7月26日　アメリカ、イギリス、中国がポツダム宣言により日本の無条件降伏を要求。
1945年8月6日　広島に原子爆弾投下。
1945年8月8日　ソ連が日ソ不可侵条約を破棄して参戦。
1945年8月9日　長崎に原子爆弾投下。

戦争終結か、徹底抗戦か。

意見がまとまらない中で、昭和天皇が戦争終結を「聖断」する。

陸軍の一部の青年将校は、この決定に納得せず、叛乱を企てるが失敗に終わる。

8月15日正午、NHKラジオから昭和天皇の玉音放送が流れる。

半藤一利さんのこの本は、8月14日〜15日の長い一日を詳細な取材を元に書き上げている。



この本を子供に読み聞かせていると、途中で涙が出てきて読めなくなってしまいます。
空襲で動物園から猛獣が脱走することを心配し、飼育員に猛獣を殺すよう命令が下る。
象舎では、餌に毒を混ぜて食べさせようとしたが、賢い象は毒入りの餌を嗅ぎ分けて食べようとしない。
そこで、食事を与えずに餓死させることになった。
トンキーは芸を見せればご褒美に餌をもらえると考え、飼育員の前で演技する。
しかし、食事を与えられることはなく、痩せ弱り、ついに息絶える。

鴨川シーワールドのシャチの演技を見て、観客が歓声をあげるなかで涙ぐんでしまうのは、トンキーを思い出すからかもしれません。


私の身近に戦争経験者はいなくなりました。
これまでに戦争経験者と戦争の話をした時には、誰もが、

「どんなことがあっても戦争だけはしてはいけない」

と言っていました。

ロシアのウクライナ侵攻を見れば明らかなように、どんなに軍備を強化しても、いや、軍備を強化すればするほど、戦争になった時に敵味方を問わず、多くの人間が苦しみ、死ぬのです。

コメント 4

動物園で象を餓死させた実話、ほんとに涙が出やす。
飼育員さんも断腸の思いだったとお察ししやす。
あっしが一番泣いた本でやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2022-08-14 14:59) 

拙ブログへのコメントありがとうございます。
高尾山が賑わうようになったのは京王電鉄の策略でしたか。
「日本のいちばん長い日」の映画を観ました。
by johncomeback (2022-08-14 20:11) 

兵隊さんの防寒着をつくるために、
飼い犬を供出してたって話を、つい最近知って、
とても悲しくなりました。。
by のらん (2022-08-20 11:39) 

ぼんぼちぼちぼちぼちさん
涙なしには読めない本です。私たちが戦争を体験せずに天寿を全うできたら幸せですが、世界には今も戦争で悲しい思いをしている人たちがいるかと思うと胸が締め付けられます。

johncomebackさん
高尾山は子供の頃から近かったので、何度も行きました。平行四辺形のケーブルカー、最初に乗った時は驚きでした。
「日本のいちばん長い日」。昭和天皇は戦争を望んではいなかったんだと思います。どう考えても勝ち目のない戦争なのに、陸軍はなぜ暴走したのでしょう？

のらんさん
なんの罪もない動物たちが戦争の犠牲になって死んでいくのは悲しすぎますね。人間の奢りを反省して、他の生物との共存を考えるべきだと思います。
by SGW (2022-08-21 20:33)