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2021/6/15 ある男 [読む]

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前回読んだ平野啓一郎の「マチネの終わりに」が面白かったのでもう一冊読んでみました。

愛したはずの夫はまったくの別人だった。

ここを説明するとネタバレになってしまうのでやめておきます。

印象に残ったところ。

死ねば、その瞬間から ―微塵の遅れもなく!― この意識は絶たれ、その後二度と何も感じず、何も考えることが出来ずに、ただ時間が、生きている者たちのためだけに滞りなく過ぎていくことに、完全に無関係であり続ける。
(中略)
二年前に津波で亡くなった一万五千人以上の人々は、今何が起きているかを認識し、それに関与するための実態を、毫もこの世界に留めてはいないのだった。この世界だけでなく、恐らくあの世にもどこにも。

私も、死後の世界、天国や極楽はないと思うんですよね。
まあ、死んでからこの世に戻ってきた人はいないのでわかりませんが。。
ヒトは遺伝子から作られたたんぱく質でできていて、死んだら遺伝子もろともすべてが機能停止に陥り、消滅すると考えられます。

そういうことばかり考えていてもどうにもならないし、仕方ないのですが、ちょっと最近、精神的におかしいのかもしれません。

テレビニュースで病床で撮影してYouTubeに投稿したアントニオ猪木さんの動画が紹介されていましたが、子供の頃みていたプロレスラーの猪木さんからは想像できない姿でした。
リリーフランキーの「東京タワー」では、母親についてですが、「いつか必ず来るその日」が怖かったと書いています。それは自分にも必ず来ます。


立法と行政の失敗を、司法が、逸脱者の存在自体をなかったことにすることで帳消しにする、というのは欺瞞以外の何ものでもなかった。もしそれが罷り通るなら、国家が堕落すればするほど、荒廃した国民は、ますます死刑によって排除されねばならないという悪循環に陥ってしまう。

京都大学法学部卒業の著者ならではの考察です。
わかりやすく言うと、社会から落ちこぼれた人がどうにも立ち行かなくなって犯罪に手を染めてしまう。生きるためにやむを得ずしたことでも裁判所は罪を犯した人を処罰する。本来なら国が彼らを守る政策を考えて実行すべきなのに。

この次は、楽しい本を読むことにします。
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johncomeback

拙ブログへのコメントありがとうございます。
僕も死後は<無>だと思っています。

前記事への感想ですが 松山千春 は北海道民にとって特別な存在です。
就職で北海道から埼玉県秩父市に移住しましたが、秩父は四方を山に
囲まれています。千春の「大空と大地の中で」が頭の中を駆け巡りました。
by johncomeback (2021-06-15 20:35) 

SGW

コメントありがとうございます。johncomebackさんは、宮城県人だと思って拝読していましたが、北海道出身だったのですね。「大空と大地の中で」、コンサートでも歌っていましたが、「君のために作った歌」のレコードも持っています。旅行で何度か北海道へは行きましたが、大学生のときに車中泊しながら2週間かけて北海道と礼文島を旅行したときが最高でした。
26歳から今まで埼玉県に住んでます。秩父に住んだことはありませんが、何度も行きました。盆地ですけど、見どころがたくさんある埼玉の観光地ですね。
by SGW (2021-06-15 20:49)